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金型移管の時の金型診断の大切さ

  • 執筆者の写真: 株式会社トミテック
    株式会社トミテック
  • 10月3日
  • 読了時間: 4分

こんにちは。


突然の質問で恐縮ですが、特に弊社と同業の皆様、

最近は金型を新規起工する機会がめっきり減っておりませんか?


理由は色々とありますが、「金型で加工するほど量産数量が見込めない」

「そもそもイニシャルコストを掛けられない」

この2つを良く耳にします。


弊社には「金型課」という金型を取り扱う専門部署があり、その名の通り金型製作をメイン業務としているのですが、 新規で製作する金型数が劇的に減っております。


もちろん、流動している製品用の金型へのメンテナンス作業は定期的に行っております。

しかし、かつては定期的に行われていた金型作りがほとんどない状態です。


金型課はさぞかし暇を持て余しているのではないか…と思いきや、 最近は金型の診断で忙しくしている様です。


ちなみに金型診断をイラストで表現するとこの様になります。(生成AIにお願いしました。)


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さて、ベテランドクターの様な風貌の画像を載せてしまいましたが、

一体「金型診断」とは何を診断しているのでしょうか?


それは、既に存在する金型を診断して、他社で量産加工が出来る様にチェックしているのです。


またまた同業者の皆様、近頃「金型はあるが、これを使用して量産出来ないか?」という相談も多くないですか?


金型の移管加工と呼ばれる事案です。


大きな要因としては、海外生産から国内生産への回帰傾向、 他には現存国内業者の廃業(又は廃業計画)が増加している事が挙げられます。


その要因についての深掘りは相当長くなりますし、今回のブログの目的ではないので割愛しますが、 そんなご時世であるという前提で、金型診断の大切さを少しお話しさせて下さい。


まず金型とは、文字通り安定して同じ製品を作る為の型なのですが、 それさえ使えばどこで誰が加工しても同じ物が作れる、とはならないのです。


そう簡単にゴールにはたどり着けません。

ゴールとはもちろん「図面通りの製品を作り供給する」です。


ゴールまでの道筋には、使用していたプレス機のトン数・プレス機の回転数・材料メーカー・作業者・検査方法etc


多くのチェック項目があり、これまでと全く同じ道筋を進まなければゴールには辿り着けないのです。


例えば、同じ材料でも他メーカーの材料を使用しただけで、微妙な成分の違いから曲げ加工後の仕上がり角度が違う、 という事が普通に起こります。


それぐらい精密プレス部品は繊細なものなのです。


そこで現存の金型に対し「どんな状況で使用されていたか」「現在はどんな状態か」「加工する場合のリスク管理は」 という診断を行い、ゴールへの道筋を再構築する必要があります。


それをメインで行っているのが当社のドクター…いや金型課なのです。


この診断を行わずに見切り発車的に加工を進めてしまうと、 それっぽいが製品が出来たが実は図面指示を満たしておらず、クライアント様で組み立てられなかったり、 最悪は市場でのトラブルに繋がります。


先程、金型診断の内容をざっくりと3つ挙げました、それぞれに更に細かいチェック項目があり、 ともかくセンスと情熱が問われる大変な作業です。


そもそも加工場所を移動させるという時点で、道筋は大きく外れてしまっております。


これまでの道筋を把握し、どうしても通れない場所を把握し、 そしてそこに橋を掛けたり、時には別の道を探したりとゴールへの道を開拓するのです。


「金型移管に困っているなら、売上にもなりそうだしどんどんやろう。」とはならずにここまで手間を掛けるのも、永続的に安定した供給をして、相談を持ち掛けてくれたお客様に満足して頂きたいからに他なりません。


金型の移管加工でお困りの方は、お気軽にお問い合わせください。


PS せっかく金型課を医者に例えたのだから、金型移管作業を治療に例えてお伝えすれば良かった、と ここまで書いて後悔しております。が、もう目が疲れたのでこの辺で失礼します。


WORTE BY 萩原

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